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懐かしの原付きバイク大辞典 (Nostalgic moped bike dictionary)

より多くの人に原付バイクの楽しさを知ってもらいたい

9. 余(よ)はモンキーにあらず 2 (KSRの栄枯盛衰)

私は小さい可愛いバイクが好きで「7.世はモンキーにあらず」を書いたのですが、編集で見直していていくつか気がついたことが有り、それを補う形で今回「9.余はモンキーにあらず 2」をお送りいたします。

 

ちなみに念の為・・・「よは、モンキーに・・あらず」とは・・・「余」とは「私は」・・ということです。(7.では漢字も間違えた・・汗)つまり「私はモンキーのように小さくて可愛いバイクだけれどモンキーでは有りません。ミニミニバイクの王様といえばモンキー様ですが私達のような奴らもいたのですよ」と言う意味です。

 

まずは、忘れていたバイクが有りました。私も乗ったことはないけれど、エポの前にはこんなバイクもあったんだなあ・・と言う事でして。

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「ホッパー」と言います。(ぴょんぴょん飛び跳ねるという意味だそうです。変な名前です。)ちなみに、「スズキ・バンバン」はどんなところでもバンバン走る。と言う意味だそうです。微笑ましい。

 

しかし、誠に申し訳ないですが乗ったことはもちろんのこと「走っているのを見たことがない」です。「エポ」は、その少し前に出た「マメタン」「ミニタン」に積まれた新型エンジンの「パワーリードバルブ」なるエンジンが積まれていました。「マメタン」は新車で友人が所有していて、よく貸してもらっていたのでそのパワーフィーリングは知ってます。とても出足がよくて、今考えると低速からのトルクの立ち上がりあって、50CCとしてはものすごくグイグイ引っ張られるような力強い加速のバイクでした。

 

良く巷では「ウイリーしやすいバイク」(したいわけではないのに乗車姿勢がアメリカンのような後傾になりがちなスタイルで、重心が後ろにあるのでアクセルを力強くひねると前輪が浮いてしまうと言う状況になりやすいバイクでした。(マメタンの話)

 

このホッパーは1971年発売なので1世代前のバイクという事になります。

 

基本スペック

タイプグレード名
Hopper
モデルチェンジ区分
新登場
型式
MT50
発売年
1971
発売月
6
仕向け・仕様
国内向けモデル
全長 (mm)
1340
全幅 (mm)
700
全高 (mm)
880
ホイールベース (mm)
940
最低地上高(mm)
145
車両重量 (kg)
62
最小回転半径(m)
1.5
乗車定員(名)
1
原動機型式
MT50
原動機種類
2ストローク
気筒数
1
シリンダ配列
単気筒
冷却方式
空冷
排気量 (cc)
49
内径(シリンダーボア)(mm)
41
行程(ピストンストローク)(mm)
37.8
圧縮比(:1)
6.9
最高出力(PS)
3
最高出力回転数(rpm
6000
最大トルク(kgf・m)
0.37
最大トルク回転数(rpm
5500
燃料供給方式
キャブレター
燃料タンク容量 (L)
2.5
エンジン始動方式
キックスターター
点火装置
マグネット式
バッテリー容量
6V-2Ah
エンジン潤滑方式
分離給油(2スト)
2ストエンジンオイルタンク容量
0.80
クラッチ形式
湿式・多板
変速機形式
リターン式・3段変速
変速機・操作方式
フットシフト
1次減速比
3.842
2次減速比
2.153
変速比
1速 4.181/2速 2.200/3速 1.450
動力伝達方式
チェーン
フレーム型式
パイプバックボーン
キャスター角
63°00′
トレール量 (mm)
50
ブレーキ形式(前)
機械式リーディングトレーリング
ブレーキ形式(後)
機械式リーディングトレーリング
懸架方式(前)
テレスコピックフォーク
懸架方式(後)
スイングアーム式
ショックアブソーバ本数(後)
2
タイヤ(前)
3.50-8
タイヤ(前)構造名
バイアス
タイヤ(前)プライレーティング
4PR
タイヤ(前)タイプ
チューブタイヤ
タイヤ(後)
3.50-8
タイヤ(後)構造名
バイアス
タイヤ(後)プライレーティング
4PR
タイヤ(後)タイプ
チューブタイヤ
ホイールリム幅(前)
2.5
ホイールリム幅(後)
2.5
タイヤ標準指定空気圧(乗車定員時・前)
1.00
タイヤ標準指定空気圧(乗車定員時・後)
1.60
ヘッドライト定格(Hi)
15W/15W
テールライト定格(制動/尾灯)
10W/3W
スピードメーター表示形式
アナログ

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やはり古いのでなかなか資料が見つかりませんが、あちこち読んでみたら色々わかってきました。まずは3速の自動遠心クラッチオートマ車です。最高速度「50キロ」(カタログに表示)左ハンドルにレバーがあって右の足元にペダルがないので、左のレバーが「後ろブレーキ」のパターンですね。

 

デザインも可愛いし、レストア(昔のバイクや車を様々手間とお金をかけて外装も含めて「新品同様」に整備して仕上げること)マニアの方には好かれているようです。

 

面白いのは、ハンドルの高さとシートの高さが「調整できる」のが良いですね。

 

 

 

 

さてもう一台大事なバイクをすっかり忘れていました。このバイクのことを書かないと「ミニミニモンキーにあらず」は語れないので、あえて「9.余はモンキーにあらず ②」を書こうと持った次第です。

 

 



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カワサキ1987年「KS-1」です。

私は特にカワサキの大ファンというわけではありません。大型バイクに乗ったことがないから・・・とほほほほ。(大型トレーラーのドライバーでしたが)

 

それでもこんな小さなバイクからでも「カワサキ」ってメーカーには他のメーカーにはない「男気」を感じます。ですからカワサキのバイクを語るとどうしても「長く」なってしまうことをお許しください。おおよそ興味のない方には全くもって響かない長い話になってしまうと思っています。

 

この「KS-1」も見た目のかっこよさから他のメーカーとは違いを感じます。どんなに小さくても「妥協しない」「本格派」を目指してる心意気を感じます。

 

しかもこの「KS-1」は成長するバイクで、つい最近まで「KSR110」と言う形で進化してきました。それも追々お話していきます。

 

さてまずこのデザイン。カッコいいですね。諸元表を見てみましょう。

カワサキ KS-1 (1987年)の基本スペック

メーカー カワサキ エンジンタイプ 空冷2ストピストンリードバルブ単気筒
モデル名 KS-1 エンジン始動方式 -
タイプ・グレード - 最高出力 7.2ps(5.0 kw)/8500rpm
動力方式 - 最大トルク 0.62kg・m(6.1N・m)/7500rpm
型式 KMX50A 車体重量(乾燥重量) 66.5kg
排気量 49cc 車体重量(装備重量) -
発売開始年 1987年 パワーウエイトレシオ 9.2kg/PS
燃料消費率 - 全長・全高・全幅 - × - × -
燃料タンク容量 - シート高 -
航続可能距離 - フロントタイヤサイズ -
燃料供給方式

キャブレター

リアタイヤサイズ

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少し補填します。大きさ(全長)1560mm☓(全幅)730mm☓(全高)890mm (最高出力)7.2PS タンク容量9L タイヤサイズ3.5-10インチ。シート高680mm となっています。

 

モンキーの大きさが1,360mm☓600mm☓850mmなのでほんの一回り大きいかな?って感じです。しかしモンキーの見た目は完全にレジャーバイク然ですが、この「KS-1」はもう

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当時の本格オフローダーであるKMX200ですね。

 

まずは、その馬力、50CCの規制上限一杯の7.2PS。 そして「6速ミッション」エンジンは、当時のカワサキの50CCオンロード車「AR50」のものをそのまま流用。痺れます。

 

そしてそしてこの上に「KS-2」として89CCエンジン9.2PSを載せたモデルも有りました。

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見た目は変わりません。笑

 

 

 

少し脇道それます・・・。実はこの「KS-1/2」の前にもう一台ミニバイクが存在してます。それがこちら・・・・・

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1977年「KM90」と言います。でもこのバイクは「モンキーにあらず」には少し大きいかな?でも載せたかったのは・・ハイ!私、所有してました。

新車のGT380のセカンドバイクとして乗っていました。89CCで6.6PSでした。エンジンは、遠い先にマッハが見える?90SSの10PSのエンジンを低中速域を強化して載せていました。

 

走りは、まさに「トルクをひしひしと感じられる」エンジンで高回転までビンビン回るエンジンではなかったですが、どの回転域でも山道を走ってもオンロードを走ってもアクセル一捻りで「ぐぐぐ~っ」と出ていく感触がとても力強いバイクでした。これもその後、実弟が乗り回していたようです(兄は記憶なし・・実弟談・・)

 

さて話を「KS-1/2」に戻します。

 

1998年にはマイナーチェンジを受けて「KSR50/110」に生まれ変わりました。

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やはりカッコいいですね妥協が感じられない。少しタンクの形が変わった感じとタイヤが12インチになったこと。そして「原付き2種」の89CCエンジンが、110CC10馬力に格上げされました。エンジンは空冷から水冷になりました(水冷のほうが、熱に強いのでなんとなく攻撃的なイメージがあります。)

 

「KS-1/2」はいいバイクだと思ったけれどあまり売れませんでした。ライバルがいたからです。

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そうヤマハ「TDR50/80」です。こりゃいけません。相手が悪い。名車「RZ250」の流れをくむ「TZR250」のエンジンを載せた、新しい「マルチパーパス車」として大人気を誇った「TDR250」のデザインをそのまま小さくしたこの「TDR50/80」は大人気となりました。やられた・・・。

 

KSR」の89CCを110CCに格上げしなければならない理由の一つが、ここにあったのだと思います。

 

 

そして2002年「KSR110」へと最終变化していきます。

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さてまたここでメーカーとしての「カワサキ」の話をせざるを得ません。見た目は「KSR-2」と変わらないようにも見えなくはないですが、この大変化は当初私は衝撃でした。「なぜだ!なぜなんだ!」エンジンが2サイクル水冷から4サイクル空冷に変わりました。

 

これはもう「生き物の生き残りの摂理」と言う難しい考え方で理解できます。昨今の時流の「排気ガス対策」では圧倒的に不利な2サイクルエンジンは、パワーこそ同じ排気量なら4サイクルエンジンの比では有りません。(負けない)

 

しかしどうしても「排ガス規制」をクリヤ出来ず次々と市場から姿を消しています。

 

時代もまた「カミナリ族」から始まった轟音を鳴り響かせながら疾走する「珍走団」のような人たちは「喫煙者」同様に世間から煙たがられていく時代となったのです。

 

世界最速車を目指し「ファミリーバイクの拡販」よりパワーと速度を追い求める「カワサキ」も時代に生き残るためにはそんな事は言っていられなくなってきたのです。(私の勝手な解釈です)

 

くしくも2001年にカワサキから発表された「KLX110」と言うオフロードバイクは「モトクロスの世界選手権」を取るためのものではなく、「大人も子供も楽しめるおとなしいオフロード車」だったのです。

 

このエンジンが新しく「KSR110」に載せられた4サイクル空冷エンジンだったわけです。

 

『こんなエンジンでは、男・カワサキの名前が泣きます!!』と若手が叫び!

『それならお前に、音がうるさくて、煙を吐いて、慣れるのに時間のかかるギヤ付きのバイクが売れるのか!!!』(どかっ!!机を叩く音・・・)と経営陣は叫び、また畳み掛けます。『バイクの免許もAT免許が解禁になるから、もっと多くの人が手軽にバイクに乗れることになるのだ!もうKSR110はATにしろ!!』

 

と言ったとか?言わないとか笑(妄想の世界です)

 

ということで(ほんとかよ)、この「KSR110」は自動遠心クラッチ(AT)の4速となりました。

 

でも時代は変化しています。一方で「カワサキ」は「H2R」なる最高速度400キロのバイクも世に送り出してもくれています。「これで良いのだ」と思います。

あ!もう一つ忘れていました。「KSR50」はどうしたんだ????

「KSR50」は存在してません。「KSR-1」が生産中止となった時点で消えていきました・・・・・。合掌。(載せるエンジンがないもの)