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懐かしの原付きバイク大辞典 (Nostalgic moped bike dictionary)

より多くの人に原付バイクの楽しさを知ってもらいたい

7. 余(よ)はホンダモンキーにあらず・・・。

 

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おそらくおよそバイクに興味のない方でもこのバイクの名前をご存じない方は少ないでしょう「スーパーカブ」に次ぐホンダの名車「ホンダモンキー」です。

原付きバイクの仲間としてもレジャーバイク(カブを仕事のバイクと考えたら)としても異論のない名車と言えると思います。

 

最近はファンが待ち焦がれていた「モンキー125」なるバイクが出ました。

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イメージはそのままにモンキーの長所でも有りながら弱点だった「小ささ」だったり「パワーの無さ」だったりをキッチリ満足させる仕上がり具合で販売はとても好調だそうです。欲しくなりますね。またカスタムパーツメーカーのキジマさんからは「モンダビ」(モンキーダビットソン)なるものも登場し・・・

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限定500セットで・・1セット50万円(もちろんバイク代は別)はもう完売だそうです。驚!!

 

さて今回は「有名人」「モンキー様」のあれこれは多くの優秀な先輩ブロガー様たちにおまかせするとして・・・、私は「世はモンキーにあらず・・」をお送りいたします。

 

まずは社内の同僚から(ホンダ車から)・・・

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大きさから行ったらこれでしょうか1981年「モトコンポ」可愛いです。❤

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もともとは「ホンダ・シティ」に積み込んで目的地に行って、下ろして使う為に開発販売されたバイクでした。

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まさにホンダさんしか出来ないアイディアバイクです。

当時の販売価格はもちろん車とは別扱いで1981年に8万円でしたが現在では「プレミヤ」付きまくりで 40万円以上の値段がついています。驚

全長1185mm 車重42kg  2.5psのエンジンですから見た目はおもちゃバイクと言えます。

 

 

続きましては・・・

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同じく1981年ホンダ・スカッシュです。モトコンポより少し大きい全長1280mm車重48kg 可愛いのはちゃんと「フラットフロア」でエンジンも3.0ps 有りました。

 

モンキーやモトコンポと同じようにハンドルを折りたたむことが出来て。「車に積む」事を可能にしたバイクでした

48kgというのは持ち上げるには結構重いと思うけど・・、こんな発想のバイクを作って売ってしまう「ホンダ」という会社の心意気にはホトホト感心いたします。

 

次はこれ・・・

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まあ次から次へと「おもちゃ」のようなバイクを世に送り出すものです。1990年「ホンダ・ズーク」

名前の由来は「zook」ズック(靴)から来ているそうでタイヤの滑り止めのデザインが「足跡」と言うのは、結構有名ですよね。これも面白いコンセプトです。

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続きましてはヤマハ行ってみます。

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1980年ポッケ・・・。タイヤが6インチ!!小さい!(定番スクーターが10インチ、モンキーが8インチ)

ホンダの3台がスクーター系で全車オートマ車だったのに対し、ヤマハの答えは「ギヤ付きマニュアル」でした。

そしてその兄弟車がこれ

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同じく1980年「フォーゲル」です。
「ポッケ」はおそらく「ポケットに入るくらい可愛くて小さい」ということでしょうが、「フォーゲル」とは「小惑星」という意味ですが・・なんの惑星なのか?悩みます。笑

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こいつでしょうか??笑

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実はこの「フォーゲル」私は所有してました。ギヤ付き4速の2サイクルエンジンで自慢は10Lの大きな燃料タンクでした。またご丁寧に車に「車載」したときに万が一バイクが倒れてもガソリンがタンクから漏れ出さないようにキャップに付いてる「空気穴」を塞ぐことができる「ON・OFFスイッチ」が付いていました。(モンキーにも付いてます)

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ヤフオクの写真を引用)

細かすぎてどうでも良いような話ではありますが、「作りて」の細かい気配りを感じられる部分です。
が・・最高速度は、せいぜい55キロが良いところで、5速ギヤが欲しかった。(当時はまだバイクいじりもやっていなかったので、「何か5速にするための手はないものなのか?」などと考える事も有りませんでした。若いころの私がなんでこのバイクを買おうとしたのか?買ってしまったのか?(しかも新車で)思い出せません。このバイクはこの形からして、山道に入るとその真価を発揮してガンガン走り回れる!!・・・なんて言うこともまったくなく・・・ただただ見た目の雰囲気を楽しむバイクなんですが・・・

当時から単細胞のわたしは「全開!全開!また全開!」しか脳がなく「造り手の思い」など、どこ吹く風でした。

 

記憶にまったくないのですが、その後飽きて「実弟」に高値で譲ったようでした(実弟の話・・・)

 

 

スズキに行ってみましょう。

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bikebros.co.jp

 

 

1979年スズキ・エポです。

ホンダ・モンキーの大人気を見て各社ライバルたちもつぎつぎとこの「超ミニバイク」に参入してきました。王者「ホンダモンキー」との差別化をどう図り販売に結びつけていくのか?は各メーカーの「造り手」の方たちの苦労の賜物であったと思います。

 

ヤマハは、どんなバイクを売り出そうか会議になったときにきっと揉めたのだと思います。WWW。「可愛いポッケが良い!」「いやもっとワイルド感を演出したジープのようなフォーゲルが良い」と・・・

 

しかしこのサイズではエンジンのパワーにも制約があるし、どうしても「走り」の面で不満は残りました。私もせいぜい55キロの最高速のフォーゲルに「なんで5速じゃないんだ!」(5速あれば60は出たと思う。)50CCは、30キロ制限ですから55キロも出れば、問題有りません。

 

そんな中この「エポ」は5速ミッションなんですよ。「モンキー」が2.6ps「ポッケ・フォーゲル」は3.0ps でしたがこの「エポ」は2サイクルパワーリードバルブ(より中速域からもパワーが出るように改良されたスズキ独自の新しいエンジン)3.8ps ですので「走りの点で」は前者たちを上回っていたと思います。(こっちを買えばよかったのに・・・)東北に中古で1台だけ「グーバイク」(中古バイクサイト)に18万円(13000キロ走行車)で出てましたが、新車価格は145000円でした。

 

販売数量がガタ落ちの昨今では「中古車」はどのジャンルも「高値取引」となり、私が新車で乗っていた青春の大事な思い出から、ユーザーアドレスにも使っている「スズキGT380」などは完全にすべて中古で100万円超えでしか売っていません。(泣)

 

 

 

さて小型車にはほとんど目をくれない「カワサキ」ですが1980年代前にこんなバイクを出していました。

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1977年「カワサキ・KV75」です。75って言うくらいだから、いわゆる50ccでは有りません。排気量73CCの「原付き2種」125CCクラスの仲間になります。それでも「ホンダモンキー」を意識したこの寸法・・・大型車を得意とするカワサキですら・・・と言うか如何に「ホンダ・モンキー」が偉大なバイクであるのかを教えてくれます。

それでもミッションは自動遠心クラッチの3速(モンキーと同じ)だったところが、各メーカーの販売に対する微妙な考え方の違いで面白いですね。

 

ここで一つ小さなファミリーバイクの見た目からそのバイクが「ギヤ付き(クラッチの操作有り)」であるか?「自動クラッチクラッチの操作がなくてスロットルを回せば走り出す)」であるかの簡単な見分け方をご紹介します。

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上の2つの写真の「左グリップのレバー」と「右足が乗っかるところの前に付いてるシルバーのペダル」を見てください。上の写真のエポには「左グリップのレバー」が付いていますが、下の写真のモンキーには付いていません。

 

エポに付いてる「左グリップのレバー」は「クラッチ操作のレバー」です。モンキーは面倒なクラッチ操作をしなくても「自動遠心クラッチ」によってアクセルをひねれば、走り出します。

 

エポの場合はいわゆる「ギヤ付きバイク」なのでこの「左グリップのレバー」を握ってから左足のつま先でギヤを入れてからゆっくりと「左グリップのレバー」を離していくと言う操作をしないと走り出しません。(車でもバイクでも初めての方が教習所などでも最も苦労するのが、このクラッチ操作です。一度身体が覚えてしまえば50CCバイクだろうが1万CCを超える大型トレーラーだろうがやることは同じだし、何十年立ってもその感覚を忘れることは有りません)

ギヤ付きバイクにはそんな面倒な操作があります。

つまりこの「左グリップのレバー」があるのが「ギヤ付き」・・無いのが「オートマチック(自動遠心クラッチ)」ということになるんですが、ここで一つだけ条件があります。

「ホンダロードパル」などに代表されるファミリーバイクではこの「左グリップのレバー」は「後ろブレーキ」のレバーになってます(自転車と同じです)こうなると、詳しい人に聞くしかなくなりますが(おいおい)一応の目安にはなります。

 

ちなみにじゃあ「モンキーの後ろブレーキは無いの?」となってしまいますが、モンキーの後ろブレーキもエポの「後ろブレーキ」も操作は「右足が乗っかるところの前に付いてるシルバーのペダル」ということになります。これはカブも同じです。

 

なんかかえって混乱しちゃいましたか???ごめんなさい。

 

 

 

 

さて話をKV75に戻しますが・・・念の為に、「なんで?50CCじゃないの?」ってことなんですが・・・。私は2つ理由があると思います。

 

一つは「他社が全部50CCだからこそ、ウチ(カワサキ)は50CCオーバー車にしよう。50CCでは嫌だって人も絶対にいるはずだから」ってことかなと・・・。

 

 

『50CC車のバイク乗りにとって面倒な制約』

・法定最高速度30KM/H。一般公道をまじめに30km/hで走ったら車に煽られて危ないったらありゃしない。

・大きな交差点では右折するときに「2段階右折」という超面倒な走り方をしないといけない。

・1986年以前は50CCはヘルメットを被らなくてよかったが。1986年以降50CCもヘルメットを被らなくてはいけなくなった

 

この制約がKV75ではなくなるわけです。(ヘルメットについてはもともと被らなきゃいけないから諦めがつく)

 

もう一つの理由は、このKV75のルーツとなったバイクが輸出専用に作られていた「75TM」と言うバイクが75CC(正確には73CC)だったということ

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75TMは「下の写真」です。1970年輸出用として発売。そしてこの「75TM」の元となったバイクが「上の写真」。「コヨーテ」といいます。これの発売が1969年。そうです王者「初代ホンダ・モンキー」が発売された時期です。このコヨーテはナント50CCと135CCの2つのエンジンがあったそうですが、75TMでは73CCエンジン1車種になりました。

 

カワサキが大事にしていたアメリカ市場では休日には家族で遠出してキャンプをしたりレースを見たりと言う中で現地で車からおろして走り回れる「モンキー」のようなポケットバイクは大きな市場として存在していて、「ホンダモンキー」にしてもいつかやりますが、私達が知っている「ホンダ・モンキー」(形式名Z50M)も国内市販は1967年ですが、それ以前に1963年には輸出専用車として「CZ100」と言うモデルが合って

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「CZ100」↑

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そのルーツがまた、「多摩テック開園時」にお目見えしたミニミニバイクの「モンキーZ100」

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bike-lineage.org

「Z100」↑
なんて長い長いお話があるわけです。

 

 

 

私が思うのは「カワサキ」ってメーカーは特に大型バイクにこだわっているメーカーなわけではなくて、こうして「ホンダモンキー」の成功を見ていち早く反応して新しいバイクを世に送り出しているメーカーだということ。

 

決して指を咥えているわけでもないし・・ボー・・・っと「HY戦争」の影に隠れていたわけでもなく・・・規模的には他社より小さい自社が「ビジネスとし生き残るためにはどうしたらよいか?」を追い続けて今日があるメーカーだと感じるわけです。

 

日本のオートバイ技術が世界の老舗メーカーと肩を並べるために「より速く走れる」バイクを作り続けて来たことが「ナナハン」を生み出し、「忍者」(カワサキの世界的にも有名なバイクの種類)を生み出し、最高速度400KM/H超えの「H2R」を生み出してきたこのカワサキと言うメーカーは「男・カワサキ」と言う語呂があるくらい「男気のあるメーカー」であると今回のKV75を調べている中でその尊敬の思いを改めて強くしたワタクシメでありました。

 

 

もう一台。忘れられていた?こんな可愛いカワサキミニバイクのご紹介。

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「AV50」と言います。1982年いちばん原付が「華やか」だった時代。新しい新車がどんどん出て種類が多かった時代、スクーター、オンロード、オフロード、ミニバイク、レジャーバイク、などのジャンルの他に「アメリカン」なるジャンルが確立されていた時代。

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これですね。・・・各メーカーから、各排気量、様々な「アメリカン」バイクが存在していて、原付の世界にも「スズキ・マメタン」あたりから「アメリカン・デザイン」のレジャーミニバイクが出てきて、本来大きなオートバイで広大なアメリカ大陸の「長い直線道路」をのんびり走るために「直進の安定性を上げる」為に前のタイヤを寝かせているわけで、乗った感じも「後ろへふんぞり返る」ようなスタイルのバイクの「ジャンル」だったのですが、果たしてこれを「ミニレジャーバイク」で発売するのは、もう『見た目の雰囲気を楽しむ』以外の何物でもなかったと思うのですが、それでも各社原付クラスにも新車投入していました。

 

そんな中、「満を持して」なのか?「今更?」カワサキが?って感じの中で出てきたバイクだったのです。

 

しかしそこは「カワサキ」手抜きが有りません。デザインがカッコいい。「フォグランプ」を標準装備。シートが前後にスライドできて乗る人の体型にジャストフィット。

 

モンキーが12万円の頃、このバイクは153000円ということで、高い。でも特に「デザイン」にとても気が使われている。やはりカワサキってメーカーは「売れるためなら他の犠牲はいとわない」と言う、考えは感じない

 

造り手の意地と心意気を感じます。この時期に不得意な原付クラスにアメリカンを出してくる。やはりあまり売れず・・・。いいバイクなのに。とても貴重なバイクだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

番外編・・・。

 

 

 

「小猿と仔犬」

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CKデザインさんと言うメーカーの「小猿」と「仔犬」です。3枚目の写真は大きさ比較です。一番右の大きい(見える)のが「モンキー125」真ん中が「モンキー50」そして美人のお姉さまが縦肘ついているのが「小猿」です。

 

上の写真で、一番上の写真が「小猿」真ん中の写真が「仔犬」です。全くすごい発想のバイクですが、このバイクの優れているところは、これが「ナンバープレート」がちゃんと取得できて「公道を走れる」事にあります。

 

ここがCKデザインさんのこだわりで「小さくてチャッチぃからおもちゃでも良い」とはならず、しっかりと公道を走れる「本物のバイクとしての基準」に作り上げているところですがそれもそのはずでこのCKデザインの社長さんは、かの「本田宗一郎」さんから薫陶を受けた元「ホンダ技術研究所」にお勤めだったことがサイトに記されていますが納得できます。

 

さて、子猿は31CCのエンジン。もちろん見た目は「モンキー」を意識した作りになっていますが、2020年に新発売された「仔犬」の方は36CCのエンジンで形を見て気が付かれた方もいらっしゃるとおもいますが、おそらくこれまたレジャーバイクの名車「DAX」をモチーフにしていると思われます。

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DAXホンダ」↑

 

フレームが違いますよね。「小猿」はパイプフレームですが「仔犬」はプレスモノコックのフレームです。

 

そしてまたこのバイクの販売方法は「完成品」を買うのではなくて、「部品で買ってきて自分で組み立てる」手法を取ってます。驚

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コンセプトが「ただ走る」だけではなく「自分のバイクの構造を知る」とか「自分のバイクを自分の手で組立てる楽しさ」も考えられているのです。価格は375000円から・・完成品販売もやってないわけではないようですが、CKデザインさんでは「なるべくなら自分で組み立てて楽しんでください」とのことです。

 

しかし、ある程度はバイクの機械的な知識がないと組み立てるのは難しいですよね。

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aucview.aucfan.com

チョイノリDIOやメイトをばらして遊んでいた私は欲しくなる1台ではありますが・・。