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懐かしの原付きバイク大辞典 (Nostalgic moped bike dictionary)

より多くの人に原付バイクの楽しさを知ってもらいたい

11.ロードパルのライバルたち。

1976年1車種だけで25万台の爆発的ヒットと飛ばした「ホンダ・ロードパル」

ライバルたちも頑張りました。ヤマハは、「スカートでも乗りやすい」その後のスクーターたちに多大な影響を与えた「フラットフロア」(足を乗せるところがバーではなくてフロアのスタイル)を引っさげた「パッソル」で市場に参入。

スズキはもっと「本格的なスクーターの時代」を読み取って「スズキジェンマ(後に250CCスクーターで消滅した名前を復活採用する)」で市場参入。いよいよ原付きバイク戦争の幕開けとなり、市場の期待に答えるべく、ホンダ、ヤマハ、スズキの3社は熾烈な開発競争へと突き進んでいきます。

 

市場の方向性は3つあったと思います。

 

①とにかく安くて軽くて気軽に乗れるお買い物バイク。

②スピードとパワーを追求した、速い走りを求めたバイク。

③多少は高くても大きくてしっかりとした本格的な大人のバイク。

 

そんな中でもまた、「足をどう置くか??」と言う、従来のバイクスタイルの「バーステップ」か・・・スカートでも乗れる「平らなフロアステップ」を持ったバイク。に別れたと思います。

 

そんな中、爆発的ヒットを飛ばした「ホンダ・ロードパル」は「お手軽格安バイク」であり、足の置き方は「従来からのバーステップ」の形のバイクです。

 

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goldenyokocho.jp

 

さあ!これに対抗する他社の同クラスのバイクたちを自社のホンダ車も含めて見ていきましょう。今回は「パッソル系(フラットフロア系)」や「走り屋系」や「高級本格派」系はあえて除外して調べました。それでも「造り手」の熱意は充分に伝わってきます。

 

まずは、身近な自社のホンダ車から時間軸から言うと「パルフレイ」と「パルディン・パルホリディ」でしょう。

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honda.co.jp

ホンダ・パルフレイ[G]

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honda.co.jp

ホンダ・パルホリデー

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webike.net

ホンダ・パルディン

 

 

ロードパルから随分デザインが多様化してきました。「パルフレイ」は「ロードパル」を洗練した感じ。「パルホリデイ」と「パルディン」はホンダらしい「遊び心」に振ったデザインになっています。当時私は「パルディン」がほしかった(カッコいい!と思ったから)

 

エンジンなどの機構は「ロードパルと同じ」です。「パルフレイ」「G」というのは、「ロードパルE」の進化と共に同時に進化したタイプです。(パワーが少し上がって、2.2ps→2.5psへ、プラスオートチョークが付いた)

 

 

そして次の世代は「ハミング(G)」です。

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honda.co.jp

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honda.co.jp

 

上が「ハミングG」下が「ハミング」です。ここで面白いのは、だいたい車やバイクは「名前だけ」とその後ろに「〇〇GT」とか「〇〇RS」つくとベースモデルは「名前だけ」の方で「GT」とか「RS」とかつくと、そちらが高級版を意味するのですが、この「ハミング」はなぜかベースモデル(安い方)が「ハミングG」で「ハミングG」にシルバー塗装を施し、「前カゴ」「泥除け」を装備したほうが「ハミング」(高級版)になっています。

 

このハミングでは「パルフレイ」と違って「ロードパル」に対して大きな変化があります。

まず目立ってわかるのは、エンジン始動のためのキックレバーの足を乗せる所が「普通の丸形」をしています。これは例の「ゼンマイ式始動方式」を辞めてしまったからです。昔ながらの「キック方式」の始動方法に変えて、その代わりといってはなんですが、ザックリ言うとエンジンが掛かりやすい「CDI点火」方式に変わっています(簡単に言うとこちらのほうが高級品)

 

そして「シートの高さ」が「ロードパル」の705mmから、665mmと下がっています。タイヤの寸法も「ロードパル」の14インチから10インチへと小さくなっています。それとタンク容量が「ロードパル」は荷台下に2.5Lタンクがあったのですが、「ハミング」ではシートの下に3.0Lタンクがあり、増量されています。これは「お客さん」の希望が「もっと小さくて良いわよ」「もう少し給油の頻度が少ないといいわねえ」ってことなのだろうと思います。重さはほぼ同じです。

 

あの大発明「ゼンマイ始動方式」が・・・、だめだったか?・・・。とほほほほ。

 

 

 

次にヤマハです。ヤマハの場合は「パッソル」がヒットしたので、どちらかといえば「パッソル」→「パッソーラ」と「フラットフロア路線」を拡大したいこともあるのか、この「ロードパル系」路線は少しおとなしめですが、それでも流石にしっかりとしたシリーズを構築しています。それが「キャロット」3兄弟(マリック、リリック)です。

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ヤマハ・キャロット」

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bikebros.co.jp

ヤマハ・マリック」

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ヤマハ・リリック」

 

時間軸別に「キャロット」1979年2月、「マリック」1979年3月「リリック」1979年4月と立て続けの新車攻勢!!当時の勢いを感じます。デザインは「ロードパル」をとても意識したデザインだと思います。

 

「ロードパル」の2.2psに対して2.3psで迎撃。「マリック」では2.8ps「2段変速」付きで突き放すと「ロードパルS」はこの年の10月に2.5ps「2段変速」で巻き返します。「マリック」は装備は良いが「99000円」で高すぎると見ると「リリック」では性能を落として「78000円」でお買い得に。

 

いやいや・・・がっぷり四つ相撲となり、いわゆる「HY戦争」なんて言われる所以でしょうか・・・。

ここでは「原付きバイク」の話しかしていませんが、この時期はもっと上の250CCでも400CCでもオフロード車でもメーカー間の争いは熾烈を極めていました。

 

全体の販売台数は年々急降下している中で・・・・。

 

もう1台ヤマハからは攻撃機が飛び立ちました。

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ヤマハ・タウニー(TOWNY)」

ナベサダさんのCMで「いいなあ!これ!いいでしょ?これ」ってセリフが印象的でした。このあとホンダは「ランナウェイ」と言うバイクで迎撃するのですが、ちょっとこのバイクは「枠から外れる」かなあ?と思って書きませんでした。(価格が117000円もするから)

タウニーは超安くはないけれど、この本格的なでデザインで89800円を実現してました。すごいと思います。男っぽくてカッコいいですよね。エンジン性能はさほどでもなく、平凡で「2段変速」もない。シャフトドライブ(後ろのタイヤを駆動するのに自動車と同じような方式。故障が少ない)は、すでにキャロットシリーズ登場の時点でヤマハのアドバンテージだったし。(キャロットのところで書き忘れました。ごめんなさい)

 

でもこういう「作り方」「見せ方」「売り方」って素敵だと感じます。

 

 

 

さて、最後はスズキです。

スズキのこの手のバイクって昌子の(CM担当、森昌子)「ユーディ」「ユーディーミニ」が有名で他にどんなバイクがあったかな?と思いつつも調べてみると、結構色々出していてなかなかスズキも頑張っているなあと思えます。

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ユーディは、性能的にはかなりしっかりとして居て、ロードパルの枠からは外れるかな?と思いましたが、性能の割にはしっかりと10万円以下の販売価格に抑えてあり、その辺のコスパは大変に優れていると思いました。このグループでは車体も最大級で馬力も最大の3.5psあって一番しっかりとした作りです。そのうえで91000円の価格設定は見事だと思いました。

 

 

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webike.net

ユーディミニはまた徹底して、お手軽低価格路線のバイクでホンダのハミングに匹敵します。諸元表からもほとんど同じと言っていいでしょう。

スズキは、やはり目立たないけれど、良いバイクを作ると思います。
なんとなくホンダやヤマハと比較するとおとなしいイメージがありますが、こうしてみるとどうしてどうして・・・やることきっちりやってるなあ・・・。と思います

 

この辺で表にまとめてみました。

車名 新車価格 車重 全長 パワー タンク容量 発売年
Hロードパル 59800 44kg 1545mm 2.2ps 2L 1976
HロードパルL 64800 48kg 1545mm 2.2ps 2L 1977
HロードパルS 73000 48kg 1545mm 2.5ps/2速 2L 1979・10
HロードパルE 63000 44kg 1545mm 2.5ps 2L 1979・12
Hパルフレ 75000 52kg 1545mm 2.2ps 2L 1978
HパルフレイG 75000 51kg 1545mm 2.5ps 2L 1980
Hパルディン 79000 52kg 1545mm 2.2ps 2.5L 1978
Hパルホリデー 79000 54kg 1560mm 2.5ps 2.5L 1978
Hハミング 72000 49kg 1475mm 2.5ps 3.0L 1980
HハミングG 67000 47kg 1475mm 2.5ps 3.0L 1980
Hランナウェイ 117000 63kg 1760mm 3.1ps/cvt 4.0L 1983
Yキャロット 67000 42kg 1545mm 2.3ps 2.3L 1979.2
Yマリック 99000 54kg 1540mm 2.8ps/2速 3.7L 1979.3
Yリリック 78000 49kg 1475mm 2.3ps 2.3L 1979.4
Yタウニー 89800 53kg 1600mm 2.8ps 2.8L 1980
Yポップギャル 122000 54kg 1600mm 3.0ps/2速 3.2L 1982
Yポエット 122000 67kg 1600mm 3.6ps/3速 3.8L 1980
Sスージー 67000 46kg 1540mm 2.4ps 2.5L 1980
Sチョイノリ 59800 39kg 1500mm 2.0ps/cvt 3L 2003
Sスワニー 94000 58kg 1600mm 3.2ps/2速 3.0L 1980
Sユーディー 91000 61kg 1635mm 3.2ps 4.5L 1978
Sユーディーミニ 73000 47kg 1505mm 2.3ps 2.5L 1978
Sファンファン50 89000 48kg   3.2ps/2速   1982

 

さて「ユーディーミニ」と「ユーディー」のあとには「スージー」と「スワニー」が出てきますが、この二台もホンダ、ヤマハとは違った、スズキっぽい・・笑デザインのバイクになっています。

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「スズキ・スージー

 

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「スズキ・スワニー」

 

なんとも言い難い「芸術家」的なデザインです。隼1300のフロントマスクにしても、現行ジェンマのフロントマスクにしても・・・、もう少し幾何学的なバランスがほしい気がしますが、個人の好みの問題かもしれません。

 

しかし中身は「スージー」はお手軽バイクの平均点だし、スワニーはもう少ししっかりした価格の高いグループのユーディークラスの実力を備えています。

 

 

一つここでお詫びをしておきます「一覧表」には、「ホンダ・ランナウェイ」「ヤマハ・ポップギャル」「ヤマハ・ポエット」を載せています。この3台は実力は申し分ないのですが、ご覧の通り「価格も高い」・・・10万円オーバーしているので、今回は「資料のみ」とさせていただきましたことをここにお詫びいたします。

 

さて、最後に・・・

 

私はこのバイク・・・知りませんでした。ごめんなさい。

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「スズキ・ファンファン50」1982年

こういうバイクに出会うと本当に嬉しくなります。「THE!スズキ!」って感じ。データーを調べてみても、どこにも見当たりません。あちこち探してようやく少しは穴埋めしましたが、結局全長と燃料タンク容量がわからずじまいでした。

 

3.2psの2段変速、48kgだから走りはきっと良いと思います。これで下道ツーリングでも行ったら最高だと思います。きっとあちこちで呼び止められて大変だと思います。私も見かけたらきっと声をかけずにいられないと思います。

 

こういうバイクが「ロードパル」の仲間たちに存在しているというのは、嬉しいことですが一体何台が世に出回っているのでしょうか?気になります。