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懐かしの原付きバイク大辞典 (Nostalgic moped bike dictionary)

より多くの人に原付バイクの楽しさを知ってもらいたい

6. ブームと言う恐ろしい怪物



このブログを書き始めるきっかけの一つとなった要因に、「バイクの販売台数の衰退」があります。

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toyokeizai.net

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take-it-easy.tokyo
 

4大メーカーのホームページを久々に見たら『ナンジャコリャ~~~~!!!』(ジーパン刑事風に)もう絶滅・・・。

 

私が10代を過ごした1970~1980年代はいわゆる「オートバイブーム」の真っ只中で、毎年出るバイク雑誌の「国産車アルバム」のシリーズは欠かさず買い求め、日々諸元表を眺めては比較しながら(バイク本体を買えはしないので)妄想の世界に浸っていたものでした。

 

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wpb.shueisha.co.jp

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moto-be.com

 

 

冒頭の表のように最盛期(1980年代前半)は年間200万台を超える販売実績があったバイク業界。後押ししていたのは1976年発売のラッタッターこと・・「ホンダロードパル」の登場でしょう

 

 

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goldenyokocho.jp


、翌年1977年ヤマハから「パッソル」登場!

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ameblo.jp


HY戦争と呼ばれ、今まで自転車しか乗っていなかった女性層がきっかけとなり「若者層」が牽引し、その若者が育つに従い「鈴鹿8時間耐久レース」にも代表される「レーサーブーム」にも火が付き、メーカーはこぞって『開発競争』に明け暮れ、次々と「新車」が発表され販売されていました。

 

私が所有している1998年の「モーターサイクルオールアルバム1998」で原付バイクの種類を数えましたら・・・。ホンダ40種類、ヤマハ26種類、スズキ22種類、カワサキ2種類、50CCだけでこれだけの種類の数が新車販売で買えました。

 

それが現在ではホンダ3種、ヤマハ2種、スズキ2種、カワサキ0種

(ただしホンダについては名車であるカブの仲間、モンキー、新聞屋さんバイクは除いてます。ヤマハも新聞屋さんバイクは除いてます。スズキに至っては、そのうちブログにも書くつもりの新聞屋さんバイクの名車?バーディすら販売していない)

これが現状です。

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jama.or.jp

 

それが・・・・今じゃ・・・2019年のデータでは「原付き1種2種」合わせて14万台。1/10以下・・・・。

 

しかも冒頭のグラフで見た分かる通り、「ブームの火付け役」も「衰退のグループ」もほとんど50~125CCクラスの「原付きバイク」なのです・・・。哀しいけどこれが現実。

 

ピークは1983年と言われていますが、そこからの衰退はもう真っ逆さま状態です。私達が大喜びで毎年発表される「新車」にワクワクしていた時・・・。「4大メーカー」は必死でブームの落ち込みを抑えるべく「四苦八苦」していたわけです。

 

それでも衰退は止まりませんでした。ここで面白い(と言えるのかわかりませんが)のは、「125CC以上」のオートバイについては多少の衰退はあるにせよ、大昔から「オートバイ大好き」の層は厳然と存在していて、この層は極めて安定して「オートバイライフ」を楽しんでいる。ということです。

 

カワサキ」というメーカーは昔から他の3メーカーとは1線を引き「750CC以上」の「大型バイク」の開発と販売に特に力を入れています。

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bike-linege.org

いわゆる「ナナハン」という言葉は1969年「ホンダCB750」の登場からですが、それに負けじと1973年にカワサキが出した「Z750RS」(上の写真)は今でもその流麗で完成された「デザイン」は1000CCオーバーが普通になっている大型バイクの世界でも「憧れのヒーロー」であることに異論を唱える方はそう多くはないでしょう。

 

そして今、現在「世界で一番速いオートバイ」としても普通の人では所有してみたいという憧れの気持ちすら失せてしまう強烈なオートバイがこちら。

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mc-plus.com

最高速度400キロ。もう・・・こうなると漫画や映画の世界でしか無いですが、カワサキってメーカーはそういうメーカーなのです。

 

庶民相手に販売大戦争を繰り広げた「ホンダ」VS「ヤマハ」でしたが、おかげさまで世の中に沢山の「おもしろバイクやスクーター」が出ました。

 

今となっては「中古」でしか所有できなくなりましたが、その「作りて」の苦労の賜である「作品たち」を私はこれからもコツコツご紹介していきたいと思っています。